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今年の春、一度だけ熊狩りについて行かせてもらうことができたのでお礼のつもりで描いた絵。
山を一望できる見立て場から双眼鏡で熊を探している時の様子。まだ残雪の残る、ブナの新芽も芽吹く前の頃です。
家の貧弱なスキャナに入らないサイズだったのでデジカメ画像で・・・
マタギの方々からすればそれこそ狩りのときに歩きつくしている山なので、背景の山を描くのも結構プレッシャーだったんですが、この山があそこだベー?というのがなんとなくわかってもらえたみたいなので安心しました;
山を知っている人と歩いていて山や沢の一つ一つに名前があることとか、こういう斜面には何が生えるかなどの話を聞くと、絵を描くときも地形の意味をちょっと意識するようになるので面白いです。
狩りについていったとは言っても、山の神は女性だからなどの理由で、女は熊狩りに参加してはならないしきたりがあるので、もちろん勢子などにははまらず見立て場(山を一望できる場所。ここから熊を探したり指示を出したりする。)から見学、という感じでした。
それでも女がついて行くこと自体に賛否両論あったようで、決着がつかないまま私もついて来てしまっていたということが後からわかったんですが。
結局この日は熊を発見できたものの仕留める事はできませんでした。
それでも無線のやりとりを聞いているとわくわくしたし、自分ひとりのわがままに付き合ってこういうチャンスをくれたこともすげー嬉しくて。
熊狩りに行けるのはこれが最初で最後の機会だったかもしれんけど、ただでさえ借金がたまりっぱなしなので自分ができる役割のなかで返済できる分は返済せねば。
そんなことをしていたら体重がどんどん減ってきたのでこのペースはまずいと思い、やはり肉も食おうと思い直した今日この頃。
まだ山野草描いたりしてました。
勉強のためでもあるので飽きるまでは続くんじゃないかと。
←イワウチワ
先日行った山で花盛りでした。
名前の由来は葉っぱがうちわに似てるから。
花びらがフリルみたいでおしゃれ。
花言葉「春の使者」
←コシノカンアオイ
春の女王ギフチョウの食草。
この春はかの女王を飽きるほど見てしまいました。
なかなかとまってくれないので写真は撮れなかったんですが、いるところにはいくらでもいるんですね・・・あ、ありがたみがどこかへ。
なんかウツボを連想させるタイプの花。白っぽいのもあった。
花言葉「秘められた恋」
私の住んでいるあたりでは「さいしな」と呼ばれている山菜なんですが、よくうわさは聞くものの、料理法を知ってる人がなかなかいないとかで食べる機会もなかった山菜でした。
そのうわさというのが、「味は良いけどいがらい」とか、「噛むといがいがするから噛まないで飲み込む」とか、美味いんだか不味いんだかよくわからん話ばっかりで。
というかそもそも「いがらい」という感覚がわからんし。アクのこと?渋味みたいな感じ?
ちょっと怖い気もするけどかなり興味はそそられる山菜だったわけで。
しかし今年はさいしなの生えている場所をついに知ってしまったのでした。
有毒の水芭蕉にも似た葉っぱ。
こっちでは「さいしな」と呼ばれてますが、たぶん「ヒメザゼンソウ」のことかなーと。
ためしに生の葉っぱをちょこっとかじってみたんですが、予想に反して味は何のくせもそっけもないただの草。
なんだ全然食べられるじゃん、と、思ったのですが、後からなんとなく口の中がチクチクする感じが・・・細かい針でチクチク刺されるような感覚。これがもしかして「いがらい」って感覚か?
本当は出たばっかりの黄色い葉を食べるんだそうですが、このぐらいでもまだ食べられるだろうと言われたので、まあ、ここまできたらいっそ試してみるしかなかろうと。
料理法を知ってる人に酒粕や鯖缶と合うと教えてもらったので、帰りにそれらも購入。
よく言われたのはとにかく「動かすな」ということ。
葉を洗う時も煮る時も、刺激すると「いがいが」が増すんだそうで。
なので葉を洗う時はあまりこすらずさっと流す程度にして、まずいったん水で茹でる。この時、絶対に箸で動かさない。
茹であがったさいしなは流水に一晩さらしておく。
その方が「いがいが」が抜けるんだとか。
その後、鍋にさいしなと鯖缶、味噌、みりんを入れて煮る。この時も絶対に箸で動かさない。
だいたい煮えてきたら仕上げに酒粕を入れてひと煮立ちさせて出来上がり。
粕煮は甘みがある方が美味いらしいので好みで砂糖とか足してもいいのかも。
←というわけで完成。
買ってきた鯖缶が無駄になりませんようにと祈りを込めて食べてみましたが・・・美味い!
思わず自分天才じゃねーかと自画自賛してしまうくらい。
さいしなを食べたことがあるという人にも味見してもらいましたが、合格点を頂きました。おっしゃー!
教え通りに噛まずに飲み込んで小鉢一皿分くらい食べましたが、いがいがは全く感じなかったです。
試しに噛んでみるとやっぱり少しいがいがは残ってましたが。
葉の味自体は何のくせもなく、山菜の「うるい」にも似た甘みもあって、「味は良い」と言われる理由がわかりました。
「いがいが」のせいか、ヒメザゼンソウは図鑑によって食べられる山菜として紹介されてたり、毒草として扱われてたり、いろいろといわくつきの植物みたいです。
この「いがいが」の正体もシュウ酸らしいので、どちらにせよ食べ過ぎるとよくないものなんでしょうが。
私の住んでるあたりでは昔はよく食べられていたそうですが、それも体の中の寄生虫とか毒を出すという意味があったんだとか。だから元々早春の頃にいっぺん食べるだけのものだったそうです。
その作用を知ってか知らずか、熊もこれの新芽を食べるらしいし。
だから私もさいしなを食べるのはこの春はこれでおしまいです。旬も過ぎてきたし。
こんな毒草を山菜として扱う図鑑はどうかしてる!と神経質になる方もいるようですが、
・・・まあ、確かに一般向けの山菜として紹介するのは間違ってるだろうなと(笑)
「山菜」というよりも「薬」とか「薬草」(あるいは「まじない」?)に近い感覚というか、そういう文化もあったんだな~程度の感覚がちょうどいいんじゃないかと。
実際、今じゃ寄生虫の心配もほとんどないし、こんな手間かけてまでさいしな食べようとする地元の人も滅多にいないし。
でもまあ、興味のある人とか、こういう遊びが好きな人は試してみてもいいんじゃないかと(笑)。それなりに美味しかったし。
ただ、食べすぎと毒草との間違いにはくれぐれもお気をつけくださいませ。